平成19年度 インド・イノベーションシステム現地調査 【2007/12/01-06】

平成19年度 インド・イノベーションシステム現地調査

概要


 インドのイノベーションシステムは、従来の計画経済と公企業中心という形から、1991年の自由化と外国資本によるものへと経済体制が変化する中で発展してきた。現在は、ソフトウェア産業や製薬産業の先進国からのアウトソーシングという形から、独自の研究開発に基づいてより付加価値の高い製品やサービスを生み出すイノベーションシステムへと転換を図っている。グローバル化の進展する現在、日本企業や大学、公的研究機関も最近そろってインドへの進出や連携を模索しはじめている。今後、インドのイノベーションシステムの発展とこうした日印の連携の動きがどう影響しあっていくのか現地調査を行った。

主催:(財)貿易研修センター
日時:2007年12月1日~12月6日
場所:インド各地(バンガロール、ティルチラパリ、プネ、ムンバイ、デリー)

参加者


角南 篤 (スナミ アツシ) 政策研究大学院大学・准教授 科学技術政策プログラムディレクター


主な訪問先


・IIM訪問・ヒアリング・ミーティング (バンガロール)
・TREC-STEP訪問 (ティルチラパリ)
・サイエンスパーク 視察および会合(プネ)
・IITムンバイ訪問・会合、Poyni Bhatt、機械工学系、IIT訪問
・マルチ・スズキの工場(デリー)


内容


 この数年間はアジアがイノベーションという観点で非常に注目されている。最近は、インドとの比較で非常にこのテーマが盛り上がっており、今回はインドのイノベーション・システムを調査した。
 インドについてイノベーションの調査をするにあたり、インドというととくにイノベーションの観点で、ITのソフト牽引型の経済成長といわれるが、イノベーション・システム全体でソフト産業だけが投資をするのには何か非常に特殊な要因があるのではないか。シリコンバレーのようなところとつながることによって、世界的に注目されている訳だが、こういったことが産業構造の歪みとどうリンクしているのかを考え、調査にあたっては、バランスあるイノベーションの実態をみていかなければ、中長期的なインドの発展は予測できないので、そのような意味ではとくにその他の産業、ITソフトウェアだけではなく、その他の産業の現場でイノベーションがどうなっているのかを中心にフィールド調査を行った。
 政府関連、公的研究機関とともにIITなどの大学、教育関係、技術移転システム(インキュベーション、サイエンスパーク)企業のR&D活動(日系、インド、欧米系)など官民のイノベーションシステムの現状を視察し、関係者との懇談による聴き取り調査を併せて行った。

 バランスあるイノベーションの実態をみていかなければ、中長期的なインドの発展は予測できないので、そのような意味ではとくにその他の産業、ITソフトウェアだけではなく、その他の産業の現場でイノベーションがどうなっているのかを中心にフィールド調査した。とくにその中で、インドで今一番、企業家たちが募っているインキュベーション・センターを現場として抽出し、インド各地のインキュベーション・センターの特色をみながら、どういった産業、どういった企業、そしてどういった人たちによってスタートしているかなどを調査し、それぞれに特徴があり、インド全体として多様な個々のシステムがあることが分かった。短期的に変化する中国とは違い10年単位の長期的戦略を立てていくことなど調査結果が示された。


シリコンバレー系IT企業が多く入居しているビル

シリコンバレー系IT企業が多く入居しているビル

インド工科大学の学生たち:ITだけではなくロボット開発で起業

インド工科大学の学生たち:ITだけではなくロボット開発で起業


インド最初のインキュベーションセンター:Tiruchirappalli

インド最初のインキュベーションセンター:Tiruchirappalli




担当:総務・企画調査広報部