第93回-1 中央ユーラシア調査会 「中央アジア・コーカサス二国間経済委員会の取り組みと課題」社団法人ロシアNIS貿易会 経済交流部長 佐藤 隆保【2008/12/16】

日時:2008年12月16日

第93回-1 中央ユーラシア調査会
「中央アジア・コーカサス二国間経済委員会の取り組みと課題」


社団法人ロシアNIS貿易会 経済交流部長
佐藤 隆保

1. 5つの経済委員会の設立と概要
佐藤 隆保     現在、ロシアNIS貿易会に事務局を置いている中央アジア・コーカサスの二国間経済委員会は5つある。うち中央アジアに関するものは、日本カザフスタン経済委員会、日本ウズベキスタン経済委員会、日本トルクメニスタン経済委員会の3委員会で、コーカサスに関するものは、日本アゼルバイジャン経済委員会と日本グルジア経済委員会の2つだ。
 ソ連崩壊後の1991年に中央アジア・コーカサス諸国が独立し、カザフスタンでは12月16日のきょう、17回目の独立記念日を迎えた。1992年の初めには、日本がこれらの国々と外交関係を樹立し、これによって日本とこれらの国々との二国間外交、経済関係がスタートした。これを受けて、1993年6月には、官民合同ミッションが、中央アジア4カ国(カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、トルクメニスタン)を歴訪、各国首脳のほか、政府の経済、エネルギー関係者らとも会談を行った。これは貿易・投資・ODA(政府開発援助)の分野を有機的に連携させて、総合的な経済関係を樹立することを目的としたミッッションだった。訪問先ではまた、今後の具体的案件を協議、推進する組織としての二国間経済委員会の設立に関する協議、合意がなされ、各国との経済委員会が発足することになった。
 5つの経済委員会の概要は、以下のようになっている。
 【日本カザフスタン経済委員会】 1993年設立、会長は高島正之・三菱商事顧問、副会長職は國分文也・丸紅常務執行役員、小林洋一・伊藤忠商事専務執行役員。会員は15社。主な活動は、機会を捉えた関係者との意見交換や交流、セミナーや講演会などを通じてカザフスタン、二国間の貿易、投資、経済、ビジネス案件に関する情報収集や情報提供を行うこと。経済合同会議の開催は活動の柱。相手国側のカウンターパートは、会長はアクチュラコク・エネルギー鉱物資源省次官、事務局はイマンドソフ・エネルギー鉱物資源省国際協力局長。1994年に東京で開催された第1回経済合同会議を皮切りに、これまで9回の経済合同会議を開催。2008年には東京で、第9回合同会議が開催されている。
 【日本ウズベキスタン経済委員会】 1994年1月28日設立、会長:大橋信夫・三井物産(株)取締役会長、副会長:古林清・豊田通商㈱取締役副社長、國分文也・丸紅(株)常務執行役員。会員は12社。カウンターパートとして、会長はアジモフ第一副首相兼財務大臣、事務局はハビブラエフ対外経済関係・投資・貿易省分析・予測総局長。合同会議は1994年の東京での第1回を皮切りに、2007年には第9回を開催。
 【日本トルクメニスタン経済委員会】 1994年1月18日設立。会長:藤田純孝・伊藤商事㈱相談役、副会長:西澤正俊・三菱商事㈱代表取締役常務執行役員、津田愼悟・丸紅㈱ 執行役員、阿部 謙・三井物産(株) 代表取締役副社長執行役員。会員は6社。カウンターパートとして、会長はタギエフ副首相、事務局は石油ガス工業省。経済合同会議は第1回を1994年に東京で開催。2007年にはアシガバットで第7回を開催。
 【日本アゼルバイジャン経済委員会】 1998年12月1日に設立。会長は橫田昭・伊藤商事(株)取締役副社長、副会長は阿部正弘・三菱商事(株)顧問、淺原多加夫・丸紅㈱ 執行役員、阿部謙・三井物産㈱ 代表取締役副社長執行役員。会員は6社。カウンターパートとして、会長はシャリホフ副首相、事務局はガエフ閣僚会議対外関係局長。経済合同会議は、1999年に第1回を東京で開き、第5回を2008年に東京で開催。
 【日本グルジア経済委員会】 1998年12月8日設立。会長代行は、治田彰・(社)ロシアNIS貿易会常務理事、副会長は阿部正弘・三菱商事㈱顧問、古田貴信・伊藤忠商事(株) 常務取締役、阿部謙・三井物産㈱ 代表取締役副社長執行役員。会員は4社。カウンターパートとして、会長をナカイッゼ経済発展省次官が務めている。第1回の合同会議は2001年に東京で開催。その後は、ガガニーゼ輸出振興庁長官との懇談会(2002年、東京)、チョゴヴァッゼ経済発展大臣一行との懇談会(2005年、東京)、サーカシヴィリ大統領歓迎夕食会(2007年、東京)、経済発展省他との会合(2007年、東京)を開催。

2. カザフスタンとの経済合同会議
 カザフスタンとの経済合同会議では、相手国側から主として政府関係者が出席、日本側からは日カ経済委員会会員企業のほか会員外の民間企業も参加した。またオブザーバーとして外務省やJBIC、JICAなどの政府機関からも参加いただいた。会議は相手国政府の高官や関係者より、最新の経済、施策の現状、優先プロジェクト、日本側に対する期待や提案をじかに聞くことができ、カザフスタンの国情、二国間関係の把握やビジネス案件形成のための情報収集の貴重な場となっている。さらにビジネス、貿易投資環境の整備・改善に向けた議論も可能で、日本企業が抱える問題を提起し、対応を要請することもできる。そして会議以外でも関係者間で個別会談や視察等を通じ、ビジネス案件の形成や推進をする機会がある。
 第8回日本カザフスタ経済合同会議では、双方の報告のほか、租税条約締結に向けた進捗状況、ビジネス投資環境問題について意見交換がなされた。また今後は経済委員会内にワーキンググループをつくり、アクションプランの策定を目指すことにも合意がなされた。これを受け、今年6月に東京で開かれた第9回日本カザフスタン経済合同会議では、全体会議のほか3つのワーキンググループごとの分科会が開催され、アクションプラン策定に向けた二国間の経済協力関係の方向性を見いだすべく、さまざまな情報が開示され、議論が交わされた。第10回の会議は、日カ双方の都合を調整したうえで、来年にアスタナで開催したい。
 カザフスタン以外の二国間経済委員会における最近の合同会議で相手国側から日本に対する期待として提示されたものには、ODAを含む経済支援の継続のほか、エネルギー、輸送分野における協力の要請などがあった。
 今後の各国経済委員会との合同会議は、▽第10回日本カザフスタン経済合同会議(2009年以降、アスタナで開催)▽第10回日本ウズベキスタン経済合同会議(2009年以降、東京で開催)▽第8回日本トルクメニスタン経済合同会議(2009年以降、東京で開催)▽第6回日本アゼルバイジャン経済合同会議(2009年以降、バクーで開催)―となっている。
(敬称略 / 講師肩書は講演当時 / 文責:貿易研修センター)

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担当:総務・企画調査広報部