フィリピン: ブエナヴェンチュラ・カント氏、アジア経営大学院(AIM フィリピン)教授 招聘 【2009/09/11-12】

フィリピン: ブエナヴェンチュラ・カント氏
アジア経営大学院(AIM フィリピン)教授 招聘


概要


 経済の自由化・グローバル化が進む中、経営の新たな課題への対応能力強化や実践的な経営手法習得の研修方法を見直す必要性が高まっている。その一環として、実際の事例(ケース)を活用し、討議を重ねながら、理解を深め、学習していく「ケースメソッド」は、着実に関心を集めている。その一方で、ケースメソッドは、その授業の運営(討議のリード)に相応のスキルを要することから、国内ではまだ十分に活用されていない。本事業では、国内および、アジア太平洋地域の経営人材育成の質の向上・高度化を目的にケースメソッドを活用した経営者育成プログラム作成・指導の専門家を招聘し、2回のワークショップを開催した。

ケースメソッド・コースデザイン・ワークショップ
日時:2009年9月11日(金)-12日(土)
場所:東京
主催:財団法人貿易研修センター
参加者:大学教員、経営者教育専門家等(計15名)

知的資産経営カリキュラム検討ワークショップ(APEC)
日時:2009年9月13日(月)-14日(火)
場所:沖縄、万国津梁館
主催:APEC、(財)貿易研修センター
参加者:APEC域内の知的資産経営の専門家、および関係者(計14名)


被招聘者


ブエナヴェンチュラ・カント氏 (Buenaventura F. Canto)
アジア経営大学院(AIM フィリピン)教授/同校経営幹部・生涯教育センターの中心的ファカルティ。

(略歴)
1969年よりアジアの経営者教育の草分け的存在であるAIMで、経営修士課程・中堅幹部向けMBA、開発管理者プログラムの学科長を歴任。1997年より社会人MBAのディレクターを務めると同時にアジア地域のビジネススクールや企業内研修所などで、教員向けにディスカッションリードのスキル向上、カリキュラムデザインのプログラムを実施している。ケースメソッド教育の専門家。

内容


 東京で開催した、ケースメソッド活用のコースデザイン・ワークショップでは、学習効果を高めるプログラムの構成、ケース以外の教育方法との組み合わせ、評価などコース構築に関する様々な手法を実際の作業と議論を通して検討した。事前課題として参加者が設計したコース案を元に、グループごとに、コースを作成、発表し、その内容を講師と参加者の全員で検討した。

 沖縄では、企業の海外展開を促進するため、鍵となる知的資産の保護と有効活用を主題に、国内外の知的資産管理の専門家と共に、高度な経営人材を育成するための経営人材育成プログラムの共同開発と、それに使う有用なケース教材を共同開発することを目的に、国際会議・ワークショップを行った。

 今回、招聘者からの強い要望を受けて下記を訪問した。
 まずは、プノンペン副都心計画の参考事例を紹介してほしいとのことで、お台場(13号地)の開発状況を視察した。お台場の開発規模(430ヘクタール)は、プノンペン副都心計画(1,000ヘクタール以上)の半分以下ではあるが、ゆりかもめによる軌道系交通システムやテーマ・パーク・ホテル施設など、カンボジアの開発イメージとほぼ一致したようで、満足されたとのことだった。
 またプノンペン副都心計画では、日本の省エネや再生エネルギーの技術を参考にしたいとのことで、東京都23区清掃事業組合事務所に設置された風力発電施設やJFEエンジニアリング㈱が開発したCHS技術による冷房システムを川崎駅地下商店街の現場で視察した。なかでも、JFEの冷房システムには訪日団メンバーから高い関心が寄せられ、電気代が高く一年中高温のカンボジアでは、建物の冷房効率化に極めて効果的であるとして、プノンペン副都心計画に導入したいとの希望が出されたと聞いている。

 コースデザインをテーマにした2日間のワークショップには、大学教員、経営幹部を指導する研修指導者など15名が参加した。国内では教育手法を学ぶ機会がすくないことから、最終日に実施したアンケートでは、全セッションを通した収穫について、全参加者の80%以上が「参考になった」と回答し、総体的に高い評価を得ることができた。  知的資産をテーマにしたワークショップでは、APEC域内の8地域から、11名の専門家が参加した。APEC地域の企業が、知的資産を有効に活用し、海外展開を成功裏に進める折の共通の課題と成功要因を検討した。地域ごとに知的資産に対する認識と取組みレベルが異なるため、現状を把握し、互いの経験を共有することは非常に有意義であった。また、知的資産経営を浸透させる取り組みについての情報共有とともに、経営者育成プログラムの共同開発は、アジア太平洋地域の多様性を生かした事業となった。


東京でのコースデザイン・ワークショップ1 東京でのコースデザイン・ワークショップ2
東京でのコースデザイン・ワークショップ

沖縄での知的資産経営ワークショップ1 沖縄での知的資産経営ワークショップ2
沖縄での知的資産経営ワークショップ


担当:人材育成部