第32回APEC人材養成作業部会(HRD-WG)及び第11回キャパシティー・ビルディング・ネットワーク(CBN)会合(広島) 【2010/2/23-28】

第32回APEC人材養成作業部会(HRD-WG)及び第11回キャパシティー・ビルディング・ネットワーク(CBN)会合(広島)


概要


 日本がAPECの議長国を努める2010年、日本各地でAPEC首脳会議および関連会合が開催される。その一環として2月23日~28日に広島で開催された、第32回HRD-WGおよび第11回CBN会合に日本代表機関として参加。25日の全体会合では、今後のAPECにおける人材養成のあり方を考える「APECキャパシティ・ビルディング戦略セミナー」を主催した。

 2010年は、APECにとって、1994年のボゴール宣言で合意された先進国の貿易・投資自由化・円滑化達成目標の年というひとつの区切りの年であり、また、2020年に途上地域の自由化も見据える時期を迎えている。

 2009年の会合では、APEC首脳および大臣が、2010年は包括的経済成長(Inclusive Growth)や持続可能な成長(Sustainable Growth)をAPEC目標とし、今後、複数年度にまたがるプログラムを実施することに合意した。これを受けて、APEC大臣会合では、HRD-WGなど関係下部組織と協力し、APECの多年度キャパシティ・ビルディング(CB)のプログラムを、包括的成長の達成に向けて計画するように指示した。

 2010年には、中国が人材養成大臣会合を開催する予定であり、主テーマとして「雇用創出の強化と包括的成長のための人的資源開発」が提案されている。

 上記を背景に、HRD-WG全体として、CBの戦略的なアプローチを検討することが求められている。日本主催のAPEC第1回高級実務者会合(SOM1)と併せて開催された本会合では、貿易研修センターが企画運営しているAPEC人材養成事業「持続的キャパシティ・ビルディングの戦略」の一環として、ワークショップ・セミナーを開催し、今後のAPECにおける人材養成のあり方を考え、その成果を来る人材養成大臣会合に提供する。


日程


2010年2月23日~28日


2月23日(火)
・「持続的キャパシティ・ビルディングのための戦略」 ワークショップ開催 
(会場:グランドプリンスホテル広島)

2月24日(水)
・中国大臣会合準備会合及び経済委員会(EC)とのジョイント会合参加
(会場:グランドプリンスホテル広島)

2月25日(木)
・第32回APEC人材養成作業部会(HRD-WG)参加及び「APECキャパシティ・ビルディング戦略セミナー」開催(会場:広島国際会議場 )
・歓迎レセプション開催 (会場:ANAクラウンプリンスホテル広島)

2月26日(金)
・広島エクスカーション参加
・第32回APEC人材養成作業部会(HRD-WG)及び第11回キャパシティ・ビルディング・ネットワーク(CBN)会合参加 (会場:広島国際会議場)

2月27日(土)
・第11回キャパシティ・ビルディング・ネットワーク(CBN)会合参加
(会場:広島国際会議場)
・ネットワークディナー開催

2月28日(日)
・第32回APEC人材養成作業部会(HRD-WG)参加 (会場:広島国際会議場)


内容


 2月23日のワークショップでは、過去のCBプロジェクトのストック・テークの進捗状況や、25日に開催されるセミナーの発表内容の確認を行った。その後、本プロジェクトの今後の進め方について、プロジェクトの成果を中国大臣会合に提供するように計画すること、他の作業部会で行われた過去のCBプロジェクトもストック・テーキングに含めること、大臣会合の議題等について検討した。併せて、今後のAPECにおけるCBの方向性について活発な議論を行った。

 2月24日は、9月に中国で開催予定の人材養成大臣会合の準備委員会に続き、APECの経済委員会(EC-Economic Committee)とHRD-WGとの初めての合同会合が開かれ、ECで協議されているAPEC域内での構造改革の実現に向けて、HRD-WGとの連携の重要性が認識された。

 2月25日には、HRD-WG本会合の一部として、「APECキャパシティ・ビルディング戦略セミナー」を開催した。基調講演では、日本より、「環境・エネルギー分野での人材養成を通じたAPEC地域への貢献」、米国より、「変化の著しいAPEC地域の人口、資源、生活習慣における新たな不安要素とこれら課題に対応できる人材の養成」、シンガポールより、「APECにおける人材養成に必要な枠組みと戦略的アプローチ」について発表された。国際労働機関(ILO)からの参加者からは、ILOの人材養成戦略が紹介された。また、「持続的キャパシティ・ビルディングの戦略」の一環として、カナダの専門家より、プロジェクトの背景やAPECにおけるCBのあり方、また、HRD-WGのCBプロジェクトの強みと弱みが発表された。

 2月25日、26日、28日のHRD-WG本会合には、21エコノミーの代表と、ILO等の招待ゲストが参加。主な議題として、HRD-WGに対する外部評価が行われ、様々な提言がなされたが、主に今後のCBNの役割について議論された。また、中国の代表より、中国での人材養成大臣会合準備会合の結果報告、今後の実施準備への協力依頼が行われた。この他、リードシェパード・ネットワークのコーディネーターの指名プロセスや、HRD WIKIの活用等、様々な議題について活発な意見交換が行われた。

 2月26日、27日に開催したCBN会合には、ブルネイ、チリ、中国、インドネシア、日本、韓国、ニュージーランド、フィリピン、台湾、タイ、米国の11エコノミーが参加。会合では、中国から人材養成大臣会合に提案された3つのサブ・テーマ(雇用のためのマクロ政策、社会的弱者のための安全網、経済活性化のための人材養成)について、議論が行われた。また、外部評価の提案について、個別にCBNの見解をまとめた。日本が次期CBNコーディネーターとして貢献する旨の提案には参加者全員より歓迎の意が表された。この他、日本の「持続的キャパシティ・ビルディングの戦略」、「新興企業のIPR(知的所有権)戦略」プロジェクトをはじめとする、CBNプロジェクトの進捗状況や完了報告が各エコノミーから行われた。

 セミナーでは、外部の専門家よりそれぞれ視点の異なった人材養成に関する発表が行われ、APECのCBのあり方を考える上で大きな刺激となった。全体を通じて、今後のCBには民間セクターの関与が望まれること、単発、個人向けのCBプロジェクトではなく、長期的、組織的、多面的なプロジェクトが必要であることが議論された。今回HRD-WGやCBN会合において、CBNの目的である管理職の人材養成は、APEC目標を達成する上で非常に大切であるとの見解が多くのエコノミーから寄せられ、日本のイニシアチブを歓迎する声もあがった。本会合は、持続的なCBの重要性を各エコノミーが共有し、今後のCBのあり方を考える上で多くの示唆を得ることができ、非常に有益であった。


2月23日 ワークショップ(午前)で議論する専門家

2月23日
ワークショップ(午前)で議論する専門家

2月25日 「APECキャパシティ・ビルディング戦略セミナー」

2月25日
「APECキャパシティ・ビルディング戦略セミナー」


2月26日 CBN会合の様子

2月26日
CBN会合の様子

2月28日 HRD-WG 本会合の様子

2月28日
HRD-WG 本会合の様子




担当:人材育成部