平成22年度 第2回-2 国際情勢研究会 報告2「オバマ政権の内政・外交の評価」 東京大学大学院 法学政治学研究科 教授 久保 文明【2010/06/14】

日時:2010年6月14日、場所:(財)貿易研修センター

平成22年度 第2回-2 国際情勢研究会
報告2「オバマ政権の内政・外交の評価」


東京大学大学院 法学政治学研究科 教授
久保 文明

久保 文明 オバマ政権の内政については、世論調査での支持率も急速にさがっているが、就任して一ヶ月目で大型の景気刺激策を通した点は非常に大きな成果があった。その後は成果があまりなかったが、今年の3月に健康保険改革を通し、金融規制改革法案が現在通りそうであるので、1年半で3つの大きな政策という点では比較的成果がでていると思う。しかし、現在ルイジアナ沖での石油流出事故がひどく、ブッシュのハリケーン・カトリーナあるいは日本の口蹄疫のように、政府対応の遅れのような形になると、今後少し影響する可能性がある。
 外交については前政権との断絶と書いたが、あまり成果はでていない。目に見える成果は、ロシアとの核削減合意であろう。アプローチとして、ブッシュ政権との違いを出したがっていた。それは低姿勢であったり多文化主義的なアピールであったり、北朝鮮やイランとも対話をするという形であったりした。これは素人という面もあるし、オバマの支持基盤に対する配慮の面もあると思う。いきなりイラン制裁となるとそれは前政権と同じではないかという反発がある。ソフトなほうから始めて、少しずつ強硬となれば、世論や国際社会もついてくるだろう。問題は、ソフトからいかに少しずつ強硬なほうに転換させるかということだ。比較的低姿勢と交渉に徹して成果をあげたのは対ロ関係だと思う。
 北朝鮮政策は、結果的にブッシュ政権の第2期よりオバマのアメリカのほうが硬いのではないか。イランに対してはつい最近、国連の安保理決議で制裁決議を獲得するのに成功し、ブッシュ政権よりかなり進んだところまで来ていると思う。最初、柔らかいほうから始まったと思われたオバマ外交であるが、2年目になって強硬な部分がかなりでてきているという気がする。

(敬称略 / 講師肩書は講演当時 / 文責:貿易研修センター)

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