第33回APEC人材養成作業部会(HRD-WG)及び第12回キャパシティー・ビルディング・ネットワーク(CBN)会合(ワシントンD.C.) 【2011/3/6-10】

第33回APEC人材養成作業部会(HRD-WG)及び第12回キャパシティー・ビルディング・ネットワーク(CBN)会合(ワシントンD.C.)


概要


 2011年に開催された、第33回HRD-WGおよび第12回CBN会合は日本がCBNのコーディネーターとなり、また、HRD-WG全体の議長も韓国が新たに就任するなど、世代交代の会合であった。CBN会合では、その活性化を目指して、APECにおけるCBNの役割や推進するべきプロジェクトのテーマなどの検討を行った。IISTはCBNの日本代表機関としての参加に加え、経済産業省が担うコーディネーターのサポートも担うことになる。


日程
2011年3月6日(日)~10日(木)

3月6日(日)
・事前打ち合わせ会合、リードシェパード・アドバイザリー・コミティ会合
3月7日(月)及び10日(木)
・第33回人材養成作業部会(HRD-WG)会合
3月8日(火)~9日(水)
・第12回キャパシティ・ビルディング・ネットワーク(CBN)会合

場所
アメリカ合衆国ワシントンD.C.(会場:ロナルド・リーガン・ビルディング)

主催
アジア太平洋経済協力(APEC)、アメリカ合衆国

参加者
APEC20地域から参加
オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、メキシコ、ペルー、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾、タイ、米国、ベトナム

内容


 2010年、日本で開催されたAPEC首脳および大臣会合での合意として、今後のAPEC地域の包括的経済成長(Inclusive Growth)や持続可能な成長(Sustainable Growth)に向けて活動することが提唱された。また、2010年9月に中国で開催された人材養成大臣会合では、雇用の創出を伴う成長、社会の弱者対策などに加え、経営者育成の重要性も挙げられた。さらに、2011年のAPEC首脳会議ホストとして米国が、グリーン成長を中心課題として掲げている。

 これらを背景に、APECの新たな時代に向けて、人材養成作業部会(HRD-WG)も、その議長(韓国)と共に、3人のネットワーク・コーディネーターがすべて交代し、心機一転の会合となった。昨年CBNは、他のネットワークとの合併も検討されたが、日本がコーディネーターをつとめることで、今後の方針を決める重要な会合となった。

 3月6日に開催された事前会合では、新幹部が今後のHRDのあり方や、方向性を確認するとともに、HRDから出されるプロジェクトとAPEC事務局の適応する予算対象プロジェクト評価システムのずれについて是正する方法を検討する合意を得た。

 3月7日には、HRD-WGと他のフォーラムの代表との意見交換により、HRD-WGとして、APEC全体への貢献の可能性を模索した。また、新議長は、今後、HRD-WGは、他のAPECフォーラとの協力を進め、横断的な人材育成のノウハウを提供する組織を目指すとしており、同時に開催されていた他の会合でもHRDをアピールしていた。ホストの米国からは、教育大臣、労働大臣が会議で講演し、APECの共通課題である雇用の確保、教育の質の向上などについて課題を提起した。

 3月8・9日に開かれたCBN会合には、ブルネイ、チリ、中国、日本、韓国、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、台湾、タイ、米国、ベトナムの12地域のメンバーに加え、ABACの代表が参加した。今後のCBNのミッションの再確認を行うとともに、これまでのプロジェクトを振り返りつつ、今後の活動テーマを討議した。特に、CBNは経済を牽引する経営幹部・行政官の育成を中心課題に捕らえることで、他のネットワーク(教育ネットワーク及び労働社会保護ネットワーク)との差別化をすること、主眼を新たな人材育成のニーズを見据えたものにすること、APECアジェンダに添ったテーマでのプロジェクトを推進し、他のフォーラとの積極的な連携、民間・学会の積極的な参加を推進することが検討された。日本からは、「新興企業のIPR(知的所有権)戦略」プロジェクトの完了報告と成果としてのケースブックを配布した。また、「持続的キャパシティ・ビルディングの戦略」プロジェクトの中間報告をするとともに、本プロジェクトで提言されている、CBNの方向性および新規プロジェクトのコンセプトを紹介し、参加者からも賛同を得た。今後、詳細をさらにつめてゆく。

 3月10日最終日には、議長から、同時平行で開催されていたAPECの様々な会合でのHRD-WGの役割・協力についてのプレゼンテーションの成果が報告され、さらに、プロジェクト採択基準の調整に向けて継続して働きかけをすることで合意した。次回のHRD-WG会合は2012年2月にロシアがホストとなることが決まった。

 1990年に発足した人材養成作業部会が新たな時代に入った。議長を含めHRD-WGの幹部がすべて交代したことで、今回は幹部の連携・意思疎通を確立する会合となった。その意味で、日本のCBNコーディネーターに対する関係者の信頼が確保できたことは、大きな成果であった。ただ、CBNは、会合への参加エコノミーが12と少ないことが課題で、次回までに、各メンバーに働きかけて参加を促進する必要がある。また、本年度、新たなプロジェクトの提案は今後継続して検討してゆくことになる。


CBN会合参加APEC代表

CBN会合参加APEC代表

HRD議長とCBNコーディネータ

HRD議長とCBNコーディネータ


HRD-WG全体会合

HRD-WG全体会合


第33回APEC 人材養成作業部会参加者

第33回APEC 人材養成作業部会参加者




担当:人材育成部