ケースメソッド導入セミナー~ケースメソッドの舞台裏を学ぶ・企画編~【2013/11/29】

ケースメソッド導入セミナー~ケースメソッドの舞台裏を学ぶ・企画編~


概要


 日本ケースセンターは、全3回に渡り、ケースメソッドの仕組みや効果について理解を深め、ケースを研修や授業に効果的に導入し、活用する方法を学習することを目的とする「ケースメソッド導入セミナー」を開催。第1回は、「ケースを使用した研修企画」に焦点を当て、ケースを活用した研修や授業から得られる効果や、研修プログラム開発の考え方などを学習した。

日程:2013年11月29日(金)

場所:ラーニングスクエア新橋

講師:国際大学大学院 国際経営学研究科 特別招聘教授 横瀬 勉


内容


 ケースメソッドは、討議を通じた実践能力の向上という学習効果が注目され、企業の人材研修や大学・ビジネススクールの講義など、様々な教育の場で活用される機会が増えている。本セミナーは、「ケースを使用した研修企画」、「ケース授業の指導法」、「教材としてのケース」という3つの視点からケースメソッドの仕組みや効果について理解を深め、ケースを研修や授業に効果的に導入し、活用する方法を学習することを目指している。

 第1回目の企画編は、実際のケース討議への参加を通じて、研修や授業にケースを活用することで期待できる効果、研修プログラム開発の考え方などについて学習。自社の人事研修にケースメソッド導入を検討している方や、既に導入しているがより効果的な実施方法を学びたい方を中心に、企業や教育機関から22名がセミナーに参加した。

 討議に使用したケースは、「EMIとCTスキャナー(A)」。1970年代初頭に、英音楽企業のEMIがCTスキャナーを開発し、米国市場を中心に医療機器産業へ新たに参入を図ろうとする事例を取り上げている。新規参入の際の業界分析、経営多角化のリスクや課題を扱ったケースであり、戦略・マーケティングの重要な要素が多く含まれていることからハーバード・ビジネス・スクールの優良ケースに選出された。

 冒頭で、議論の参考となる業界構造、製品・市場などの分析に使用するいくつかのフレームワークを紹介した後、グループディスカッション、クラスディスカッションを行った。参加者は、当時の医療機器業界と競争環境を分析し、EMIはCTスキャナーのビジネスに参入すべきかどうか、また、参入する場合はどのような手段を選ぶべきかを話し合った。参入の是非について、参加者の意見は賛成と反対に分かれ活発な議論が行われた。CTスキャナーの新技術が同社にもたらす新しいビジネスチャンス、これまで経験のない業界や地域への参入リスク、競合他社との競争、製品のライフサイクルはどうなっているか、など、新規参入に係る多様な論点が抽出された。また、参入する場合の方法について、単独での参入、他社との合弁、ライセンス供与など、それぞれの長所と短所を比較し、最善の選択は何かを考えた。これを踏まえて、同社がCTスキャナーを通じて事業の多角化を行う目的はどこにあるのか、まとめの議論を行った。

 今回のケース討議を通じて、参加者は、ケースメソッド研修・授業を企画する上で知っておくべき知識を学ぶことができた。例えば、答えのある演習問題と比較し、特定の解答を持たないケースの有効性は何か、ケースメソッドでどのようなスキルや能力が測れるか、事前学習の負担、などを実際に体験して考えることができた。最後に、目的、参加者の状況、スケジュールなど、企画の際に考慮に入れる事項、企業の中堅層や経営幹部、学生を対象としたケースメソッドの導入例と、それぞれ考慮すべき点、ケースメソッドの企画に関してよくある質問の紹介、など、具体的な企画のポイントが講師により解説された。

 次回の「指導編」では、教育目的の設定、事前課題の準備、ディスカッション・リードのバリエーションなど、実際にケースを使用して効果的な研修や授業を行う方法を学んでいく。


セミナーの風景

セミナーの風景

ディスカッションをリードする横瀬講師

ディスカッションをリードする横瀬講師




担当:人材育成部