ケースメソッド導入セミナー~ケースメソッドの舞台裏を学ぶ・教材編~【2014/3/20】

ケースメソッド導入セミナー~ケースメソッドの舞台裏を学ぶ・教材編~


概要


 日本ケースセンターは、全3回に渡り、ケースメソッドの仕組みや効果について理解を深め、ケースを研修や授業に効果的に導入し、活用する方法を学習することを目的とする「ケースメソッド導入セミナー」を開催。第3回は、「教材としてのケース」に焦点を当て、優良なケースとは何か、優良なケースを通じて何を得ることができるのか、参加者と一歩掘り下げて考えた。

日程:2014年3月20日(木)

場所:ラーニングスクエア新橋

講師:国際大学大学院 国際経営学研究科 特別招聘教授 横瀬 勉


内容


 ケースメソッドは、討議を通じた実践能力の向上という学習効果が注目され、企業の人材研修や大学・ビジネススクールの講義など、様々な教育の場で活用される機会が増えている。本セミナーは、「ケースを使用した研修企画」、「ケース授業の指導法」、「教材としてのケース」という3つの視点からケースメソッドの仕組みや効果について理解を深め、ケースを研修や授業に効果的に導入し、活用する方法を学習することを目指している。

 最終回となる第3回目は、「教材としてのケース」に焦点を当て、優良なケースとはどのようなケースなのか、優良なケースを通じて何を得ることができるのか、実際のケース討議を通じて考えることにより、これから研修や授業でケースを選択する上で役立たせていただくことを目的としている。  

 使用したケースは、「3Mオプティカル・システムズ:企業内起業家精神の管理」。ケースでは、3Mのオプティカル・システムズ事業ユニットに新しく就任したマネージャーが、同ユニットが開発し、過去市場で失敗している新製品のコンピューター用のぞき見防止フィルターの再度の予算申請を推進すべきか、判断を迫られている。このケースは、異なる階層におけるマネジメントの役割について議論が可能であることに加え、様々な組織の普遍的な要素を含んでおり、優良ケースとして高い評価を得ている。

 冒頭のオリエンテーションで、3Mの技術に対する価値観や、経営環境の変化がその価値観にどのような影響を与えたかについて考えた。それを踏まえて、参加者は、自分が部門長として新マネージャーから決断を求められた場合、予算申請を承認するか否か、また、3Mにおいて継続的に起業家精神を発揮させるために何をすべきかなどの議論を行った。参加者の多くは、市場の成長性や、イノベーション風土の保持などを理由に、承認に賛成する一方で、不透明な将来性、社内の販売支援体制が不十分などの理由で、承認に反対する意見も少数出された。これら意見をもとに、判断を下す際、第一線の管理者と部門長が、それぞれ取り組むべきことや、考慮すべきことについて話し合った。また、社内に起業家精神を醸成するために、経営者の立場では、起業家精神の土台となる組織の価値観について考える必要があるとの気づきを得た。そして、エンパワーメントをする際、個人を成長させる支援と規律を維持する管理のバランスが重要であると学んだ。

 最後に、講師と参加者の間で「良いケースとは何か」について意見交換した。討議の結果、良いケースとは、様々な視点を持つことができ、討議を通じて多くの気づきがあること、答えがひとつではなくもう一度語り合いたいと思えるような議論ができることという認識が共有された。

 参加者は、他の参加者と様々な角度から議論を展開することによって、自分の意見を見直し、再構築していくプロセスを味わうことが出来たのではないか。これこそが、ケースメソッドの醍醐味と言えるかもしれない。今回3回に渡って実施したセミナーが、効果的なケースメソッドの導入方法について理解を深めるとともに、多面的な学びを得る機会となれたことを期待する。


ケースリードを行う横瀬講師

ケースリードを行う横瀬講師

セミナーの風景

セミナーの風景




担当:人材育成部