ミャンマーの縫製産業は同国最大の輸出工業部門であり、グローバルな生産・流通ネットワークに組み込まれている数少ない産業部門である。その労働集約度の高さから雇用創出への影響も大きく、縫製産業が今後、持続的発展を実現できるかどうかは、ミャンマーの経済発展そのものにとっても重要な意味を持つ。本調査ではその発展可能性を検証するという目的のもと、この分野で実績のある3名の専門家をミャンマー(ヤンゴン等)に派遣した。


 日程・スケジュール
2008年4月27日(日)〜5月4日(日)
4月28日(月)
JETROヤンゴン事務所
TI Garment(トミヤ・アパレル+伊藤忠合弁、日系企業)
Famoso社(伊藤クロージング、大栄既製服、日系企業)
Myanmar Postarion社(マツオカ、日系企業)意見交換会(ミャンマー縫製産業協会代表者 計11名)
4月29日(火)

Myanmar Daewoo International社(韓国企業)
Tri−Sea Garment社(現地企業 U.Kyaw Win)
日本大使館

5月 1日(木)

現地企業ヒヤリング
GM, Myanmar Industrial Crops Enterprise, MOAI社等

5月 2日(金)

Yangtzekiang Industries 社(Myanmar) (緬テン長江製衣廠)
Myanstar Garment Co., Ltd(韓国系企業)
意見交換会(日系進出企業代表 計7名)

5月 3日(土)

Yangtzekiang Industries (Myanmar) 社長へのヒヤリングを予定し
ていたところ、3日未明のサイクロン被害により中止。ホテルにて、
ヒヤリング内容の確認及び報告書打合せ作業を行う。
(空港閉鎖のため、5月5日バンコク経由で翌6日早朝帰国)


 場所
ミャンマー(ヤンゴン等)

 主催、協力等

主催:(財)貿易研修センター
共催:NPOメコン総合研究所


 参加者

-工藤 年博 氏 
日本貿易振興機構 アジア経済研究所 地域研究センター
東南アジアU研究グループ長

-後藤 健太 氏
関西大学経済学部准教授

-岩城 良生 氏
NPOメコン総合研究所 事務局長


 目的、経緯及び背景

 ミャンマーでは1990年代末以降、縫製や製靴など労働集約産業の成長が顕著である。
 これらは広範な失業・不完全雇用を抱えるミャンマー社会にとって最も必要とされる業 種であり、経済近代化、産業発展の第一歩となりうる産業である。しかしながら2003年の米国の経済制裁(ミャンマー製品の輸入禁止)により、これらの産業はその主要な 輸出市場を失うこととなった。米国市場に代わって、現在、衣料や革靴の大きな輸出仕向地として、日本市場が注目されている。
 本調査ではミャンマーにおける縫製産業の現状と課題を明らかにすることで、その発展可能性を検証するもので、特に日本市場への参入・浸透に必要な課題と対応策について考察するとの目的のもと、この分野に実績のある3名の専門家をミャンマー(ヤンゴン)に派遣した。


 
縫製工場見学
 
韓国企業訪問
 
 
縫製工場内でオペレータ
(縫製作業に従事するスタッフ)に取材
 
作業服の縫製をする工場

 内容
縫製工場見学、ヒヤリング、意見交換会
【調査項目】
(1)ミャンマー縫製産業の現状
(米国経済制裁後の落ち込みからの回復状況、対日輸出の状況)
(2)ミャンマー縫製産業が直面する課題
(インフラ、輸送コスト、輸出入手続き、政府規制等)
(3)コスト構成
(賃金、オーバーヘッド等)

 成果

 現地ミャンマーをはじめとして、日本、韓国、香港から進出している縫製企業のお力添えのもと、事業展開の状況などを実際に現地駐在経験者の方に直接うかがい、実際に工場見学をすることができたことは大きな収穫であった。本調査で得た貴重な情報を報告書に反映することができたことで、今後、同国への参入を考える縫製企業の参考に資するものと大いに期待される。ミャンマー縫製産業のさらなる理解と発展可能性の検証に有益な調査を行えたものと考える。
 なお、日本貿易振興機構や派遣専門家によると、すでに日本国内の複数の縫製企業からミャンマーでの事業展開に関する情報提供を望む問い合わせが入っていると聞いている。


お問い合わせ 国際交流部 info@iist.or.jp