インド: クリシュナスワミ氏、印日商工会議所事務局長 招聘 【2008/10/14】

インド: クリシュナスワミ氏
印日商工会議所事務局長 招聘


概要


 ビジネスチャンスの拡大、インド企業の県内への誘致を図り、県内産業の活性化を目指すことを目的としている。  平成19年度に神奈川県はインド(デリー、バンガロール、チェンナイ)に知事をトップとする企業ミッション団を派遣し、神奈川投資セミナーの開催、インド中央政府及び州政府幹部との意見交換、県内企業の操業状況視察等を行った。この訪印を受け、チェンナイの印日商工会議所からインド企業及び同団体幹部から成る18名の訪日企業ミッション派遣の打診があり、今回の神奈川県訪問へと至ったものである。

日時:2008年10月14日
場所:神奈川県横浜市 横浜ロイヤルパークホテル
主催:神奈川県、横浜インドセンター2008年度設立協議会、(財)貿易研修センター
共催:(財)神奈川産業振興センター、(独)日本貿易振興機構 横浜貿易情報センター
後援:関東経済産業局、横浜商工会議所、(社)横浜貿易協会
参加者:
インド企業及びチェンナイの印日商工会議所幹部18名のミッション団員。
インドへのビジネス展開を検討している企業等約90社・団体から約130名。


被招聘者


クリシュナスワミ氏
印日商工会議所事務局長


内容


 ここでは、「インド経済セミナー」における(1)「最近のインド経済・投資環境・日系企業動向」についての基調講演、(2)「インドと日本とのビジネスチャンス」に関する講演、(3)ネットワーキング・レセプションについて記すこととする。

(1)「最近のインド経済・投資環境・日系企業動向」(ジェトロ・バンガロール事務所長 久保木一政氏)サマリー
 久保木氏は三菱商事に在職中、一貫してインド関連業務に従事。1978-81年にカルカッタ駐在。2000年からインド・ビジネス・センターで中小企業にインド進出の助言を行う。2003年ジェトロ海外投資アドバイザーに就任、2006年6月より現職。デリー大学にも留学経験のあるインドの専門家である。
 同氏は、講演の中で、インド経済の現状及び見通しに関する最新情報を紹介し、日本企業がインドへビジネス展開をする際の留意点、アドバイスを提供した。同氏は、「Foresight」(2006年9月刊行)の中で「いまからでもインドで勝つための10の鉄則」として下記を挙げている。

1. インドの弱点こそチャンス
2. 本社が本気でコミットせよ
3. 新しい発想でインド市場を見直せ
4. 州の政策を注視せよ
5. 人材を活用せよ
6. 労使問題に気をつけよ
7. 税務問題に気をつけよ
8. コンサルタントを起用せよ
9. タイやシンガポールを利用せよ
10. インド人を信頼せよ

(詳細は、Foresight September 2006 pp. 68-69参照のこと。)

(2)「インドと日本とのビジネスチャンス-チェンナイのIT・自動車産業」(印日商工会議所事務局長 N. クリシュナスワミ氏)サマリー

a. 進出先としてタミル・ナードゥ州を推奨する理由
タミル・ナードゥ州は以下の好条件に恵まれ、他の地域よりも優位性がある。
・政情が安定している。
・政府が投資家に好意的である。
・高い経済成長率を誇っている(2007年度は9%のGDP成長率)。
・優れた人材を保有している
 (同州は、インド国内で最多の技術系高等学校、大学を有する)。
・賃金が低い。
・生活費が安い。
・労組関係が穏やかである(ストライキが極めて少ない)。
・インフラが整備されている。
・電力の安定供給が保証されている。
・稼働経費が安く高い収益性が見込まれる。
・空運、海運ともに、地理的利便性がある(良質の港湾とインド最大の空港がある)。
・社会福祉、社会インフラが整備されている(安い生活費、教育施設の整備)。
・治安が良い。

b. タミル・ナードゥ州におけるビジネス展開の可能性
タミル・ナードゥ州では、下記のビジネス分野でより一層の成長が期待される。
電機機器、ソフトウェア開発・ソフトウェアサービスの提供、自動車と自動車関連部品、バイオテクノロジー、医薬、インフラ整備、繊維産業、等。

c. 投資家に向けた政府のサポート
インド政府は、投資家に以下のサポートを提供する。
土地、財政上のインセンティブ(投資規模や投資形態にもよるが、例えば、電気代にかかる税金免除措置や補助金の支給、付加価値税の還付、低金利でのローン貸付、等が挙げられる)、電力と水の安定供給、手続きのシングルウィンドウ化(窓口一元化により高効率を図る)、プロジェクトの円滑な運営をサポートする政府の委員会組成。

(3)ネットワーキング・レセプション
 インドからの訪日団メンバーは、専門とするビジネス領域が多種多様であり、ITソフトウェア、物流、繊維産業、医薬、商社、観光産業、等、様々な分野の代表者から構成されるミッションであった。ネットワーキング・レセプションには、インドへのビジネス展開を検討している日本企業から約130名が出席し、それぞれが関心のある分野のミッションメンバーに声をかけ、積極的に交流を図っていた。

 日本側からは約130名の出席があり、インドへの関心の高さが伺えた。参加企業の傾向としては、既にインドへ大規模に進出している企業は少なく、将来、インドへの新規ビジネス展開を検討している中小企業が多く見受けられた。レセプションには神奈川県の松沢知事も来場し、県とインドの更なるビジネス交流、関係強化促進を歓迎する旨述べられた。横浜市は、近年、国内においても自動車業界の誘致を図っており(日産自動車は銀座から横浜へ本社を移転する予定)、日本企業のインド展開が自動車産業や関連部品に多く見られることからも、今後、横浜市とインドとの関係が深化することは、インドと日本経済の相互発展につながると思われる。その意味でも、今回のセミナーは有意義であったと思料する。


久保木氏による講演

久保木氏による講演

印日商工会議所事務局長クリシュナスワミ氏  右は神奈川県松沢知事

印日商工会議所事務局長クリシュナスワミ氏 右は神奈川県松沢知事


ネットワーキング・レセプションの会場風景

ネットワーキング・レセプションの会場風景

タミル・ナードゥ州 州都はチェンナイ。ベンガル湾に面し、インドトップクラスのコンテナヤードを有し、産業・貿易ともに盛んな都市である。特に自動車産業の集積が進んでいることから「インドのデトロイト」の異名を持つ。チェンナイ近郊には、日産自動車の進出も決定している。

タミル・ナードゥ州
州都はチェンナイ。ベンガル湾に面し、インドトップクラスのコンテナヤードを有し、産業・貿易ともに盛んな都市である。特に自動車産業の集積が進んでいることから「インドのデトロイト」の異名を持つ。チェンナイ近郊には、日産自動車の進出も決定している。




担当:国際交流部