平成21年度 近代化産業遺産 日仏ワークショップ ミッション派遣(フランス) 【2009/05/27-29】

平成21年度 近代化産業遺産 日仏ワークショップ ミッション派遣(フランス)


概要


 本事業は、2007年に実施した「産業遺産シンポジウム」事業に、フランスより、国立社会科学高等研究院教授にご参加いただいたことをきっかけとして、フランス・コイネットワーク(Koinetwork g.e.i.e)が主催する日仏ワークショップに日本人専門家派遣の要請を受けたことにより実現した。本ワークショップにおいて、日本及びフランス・ドイツ(ザールラント州)・イタリア・スペイン・ギリシャからの専門家が地域における産業遺産の活用事例を報告し、意見交換を実施することにより、同分野における国際協力の一層の発展を目指す。

日程:2009年5月27日~29日
主催:フランス・コイネットワーク、財団法人貿易研修センター


参加者


小風 秀雅
お茶の水女子大学 大学院 教授

布施 直人
トヨタテクノミュージアム 産業技術記念館 館長

北河 大次郎
文化庁文化財部 参事官付調査部門 文化財調査官

赤津 光一郎
財団法人 貿易研修センター 専務理事

この他、フランス(イル・ド・フランス県庁、国立文化遺産機関)、イタリア(セスト・サン・ジョバンニ、トリノ大学、ミラノ市)、ドイツ(ザールブリュッケン応用科学大学)、ギリシャ(ピレウス銀行文化財団)、スペイン(アストゥリアス州、国際産業遺産保存委員会)からの専門家が参加


内容


 2日間におけるワークショップでは、日本人専門家より、日本の主要な産業遺産の紹介とその活用事例、行政の取組(経済産業省「近代化産業遺産群 33」、「近代化産業遺産群 続33」文部科学省他「歴史的まちづくり法」、民間企業の活用事例(トヨタテクノミュージアム産業技術記念館、等)、世界遺産としての産業遺産の活用・指針などについて発表された。一方、欧州諸国の専門家は、各地域(仏:イル・ド・フランス県、セーヌ・サン・ドニ、ルーアン、独:ザールラント州、伊:セスト・サン・ジョバンニ、ミラノ市、西:アストゥリアス州、など)における産業遺産の紹介、活用事例、行政による保存の取組、ギリシャにおける文化財団の産業遺産保存の取組、欧州における産業遺産の社会経済的意義、など、多岐にわたり紹介された。
 3日目のパリ市近郊産業遺産視察では、パリからセーヌ・サン・ドニへ続くウルク運河をクルーズ船で移動し、旧製粉所などの産業遺産を視察した。セーヌ・サン・ドニでは、クリストフル社(1830年創業のフランス銀器メーカー)の旧工場跡地、ノワジエでは、19世紀に建設された元ムニエ社のチョコレート工場の建造物をオフィスとして再利用しているネスレフランス本社を視察した。パリに戻った後、パリ国際大学都市イタリア館を訪問し、セスト・サン・ジョバンニの産業遺産に関する展示の説明を受けた後、欧州議員、仏プランタン社会長の歓迎挨拶をいただいた。

 ワークショップでは、各専門家の発表の後活発な意見交換が行われ、参加者より、自国と他国の産業遺産に対する考え方や、活用方法の違いを知ることができ、今後の活動に大変有意義であったとの評価を得た。ワークショップの最後では、主催者のコイネットワークより、今後の欧州間、また日本と欧州との間における産業遺産保存・活用のための協力体制について提示があり、今後の交流・協力の継続が確認された。同分野における国際交流はまだ発展段階にあり、今回のように、多くの国から専門家が集まる国際会議が開かれることはまだ少ないため、本事業を通じて、より一層の国際協力関係が進展し、産業遺産の有効活用に資することによって、将来地域経済がより活性化することが大いに期待される。

5月27日(水)
日仏ワークショップ(第1部)開催(場所:パリ市役所)
5月28日(木)
日仏ワークショップ(第2部)開催(場所:イル・ド・フランス県庁)
5月29日(金)
パリ市近郊産業遺産視察
(1) ウルク運河沿い産業遺産視察(旧製粉所など)
(2)クリストフル社工場跡地視察
(3)ネスレフランス本社視察
パリ国際大学都市イタリア館訪問

PDF (3.6MB) プログラム


ワークショップ風景(第1日目)

ワークショップ風景(第1日目)

日本人専門家による事例紹介(第2日目)

日本人専門家による事例紹介(第2日目)


ウルク運河沿いの産業遺産視察

ウルク運河沿いの産業遺産視察

クリストフル社工場跡地視察

クリストフル社工場跡地視察




担当:総務・企画調査広報部