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「東南アジアセミナー」盛況、地銀主催も増加 =円高や電力不足懸念で中小企業に人気= | 時事通信社 国際室 次長 山川 裕隆【配信日:2011/9/30 No.0199-0810】

配信日:2011年9月30日

「東南アジアセミナー」盛況、地銀主催も増加
=円高や電力不足懸念で中小企業に人気=

時事通信社 国際室
次長
山川 裕隆


 ジェトロなどだけではなく、地銀の東南アジアセミナーの開催が増え、盛況だ。円高などで、同地域の情報を得て、進出を検討する中小企業からの要望が増加しているためだ。


 最近、ベトナムやタイ、インドネシアなど東南アジアに関するセミナーの開催が増え、どこも盛況だ。少子高齢化による市場の縮小のほかに、円高や電力不足の懸念、中国への一極集中リスクの回避などから東南アジア地域が注目され、同地域への進出を検討する中小企業が増加しているためだ。日本貿易振興機構(ジェトロ)や日本アセアンセンターはもちろん、今年に入って地方銀行が主催する東南アジアに関するセミナーも多くなっており、地元の中小企業には人気だ。
 ベトナムは「チャイナ・プラス・ワン」の生産拠点として日本企業に人気がある。一方で、同国の消費者物価指数は2010年11月以降2ケタ上昇が続いており、6月、7月、8月の3カ月は20%を超えている。このため、人件費や家賃も高騰している。また、停電やホーチミン市、ハノイ市での人手不足、少ない部品メーカーなどデメリットも多い。
 しかし、ベトナムは8600万人を超える人口を擁し、消費市場としての魅力があるため、日本企業の同国への進出は製造業だけではなく、最近は外食や小売業、サービス業などの業種でも増えている。また、国内の消費や輸出が好調なタイと世界第4位の人口規模のインドネシアへの日本企業の進出も、自動車関連企業や小売業、外食などを中心に急増している。

◇申し込み殺到、断るケースも
 ジェトロ横浜は9月2日に「ベトナムセミナー」を横浜市で開催、100人募集したところ早々と定員に達し、申し込みを締め切った。このほか、「ベトナムセミナー」は、8月18日にはジェトロ松江や島根経済同友会などの共催で松江市で開催、9月1日にはジェトロ関東と埼玉県産業振興公社の共催でさいたま市でも開かれた。
 ジェトロが6月に開催したミャンマーを中心としたメコンセミナーや日本アセアンセンターが同月に開いたミャンマーセミナーとカンボジアセミナーも大盛況だった。以前はミャンマーやカンボジアのセミナーの参加者は50人程度と少なかったが、ジェトロ主催のメコンセミナーは申し込みが殺到し、断ったほどだ。また、日本アセアンセンター主催の両セミナーは約350人も参加、両国に対する日本企業の関心も高まっている。
 ジェトロや日本アセアンセンターのほかに、最近は地方銀行主催の東南アジアに関するセミナーも増えている。奈良市に本店がある南都銀行は9月13日、大阪市でベトナムビジネスセミナーを開催。定員50人に対し、2倍近い申し込みがあり、場所を変更した。同行の担当者は「中小企業も円高で、海外に出て行かざるを得なくなりつつある。最近は中国だけではなく、ベトナムやタイなど東南アジアに関する情報を提供してほしいとの要望が増加している」と話している。

◇タイの大手銀行も協力
 今年3月にバンコク銀行と業務提携した大垣共立銀行(本店・岐阜県大垣市)は4月に、提携を記念してタイのセミナーを開催した。セミナーでは、バンコク銀行の小沢仁執行副頭取が「タイ経済・投資と日系企業の動向」と題して講演した。常陽銀行(同・水戸市)も7月にバンコク銀行の小沢執行副頭取を招き、タイのセミナーを開催した。その後、同副頭取や常陽銀行のスタッフがタイへの進出を検討している中小企業を対象とした個別相談も行った。
 静岡銀行(本店・静岡市)もタイ投資セミナーとインドネシア投資セミナーを7月に開催した。タイのセミナーでは同行と業務提携しているタイの大手金融機関、カシコーン銀行も共催し、同行の担当者が現地銀行の活用方法について講演した。さらに、富山銀行(同・富山県高岡市)も独立行政法人の中小企業基盤整備機構北陸支部と連携して、8月にタイのセミナーを開催。また、11月にはベトナムセミナーも開催する予定だ。両セミナーとも、市場開拓や進出、取引を始めるために必要な現地の最新情報、商談の進め方についての説明と現地に進出した中小企業の経営者による講演などを計画。

◇現地でもセミナー開催
 日本国内だけでなく、現地でセミナーを開催した地銀もある。北陸銀行(本店・富山市)と百五銀行(同・津市)が共催で、ベトナムのホーチミン市とハノイ市の2カ所で、ベトナム事業セミナーを7月に開いた。両行はベトナム計画投資省外国投資庁と業務協力提携している。セミナーでは、同庁のシニアインベストメントアドバイザーが同国の電力問題や労働問題の現状や見通しなどについて解説した。その後、参加した日系企業に対して、個別相談も行った。
 在日タイ大使館の経済・投資事務所には、「日本の地方銀行などから、タイの投資セミナーを開催したいので、タイの最新の経済状況や日本企業の現地での動向などについて話してもらいたいとの要望が増えている」という。歴史的な円高で、中小企業を対象とした東南アジアのセミナー開催は今後、さらに増えそうだ。


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