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「がんばろう ふくしま! ~Fight!FUKUSHIMA !」 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) 福島貿易情報センター 所長 永松 康宏【配信日:2012/01/31 No.0203-0828】

配信日:2012年1月31日

「がんばろう ふくしま! ~Fight!FUKUSHIMA !」

日本貿易振興機構(ジェトロ) 福島貿易情報センター
所長
永松 康宏


 まだまだ東日本大震災の影響が残る福島県。ただそうした状況でも福島産業界はしっかりと前を向いて歩き始めている。


「がんばろう ふくしま!」ロゴ

「がんばろう ふくしま!」ロゴ

 福島県のWEB SITEに、誰でもダウンロードできるロゴが紹介されている。「がんばろう ふくしま! ~Fight!FUKUSHIMA!」というこのロゴは、県庁関連施設を中心に、県職員の名刺などにも引用されており、福島ではかなり目にすることが多い。(ちなみに、ジェトロ福島事務所員の名刺にも印刷されている。)福島県ではこのロゴの精神の下、震災からの復旧・復興に向けて、企業も行政も文字通り「がんばって」いる。
 福島県は東北地方一の工業県である。製造品出荷額等は東北6県中第一位(4兆8,798億円/平成22年)で、全国的に見ても、岐阜県(4兆6,335億円)、京都府(4兆5,903億円)と同水準。出荷額等の内訳としては、情報産業分野が16.2%、化学産業分野が9.7%、電子(部品)産業分野が9.2%となっている。
 この中でも特に福島県は近年、医療・福祉機器関連産業の集積と振興に力点を置いており、佐藤福島県知事も昨年年初の記者会見において、「県内経済の安定のためには、景気の影響を受けにくく、高い競争力を有する産業の育成が重要であることから、医工連携など産学官が一体となって、医療・福祉機器関連産業の集積・育成、研究成果の事業化に一層取り組むとともに、新たにヨーロッパ等海外における販路の開拓を推進する所存」と言及し、まさに産学官一体となって医療・福祉機器関連産業の振興を進めようという機運が福島県内に満ち満ちていた。
 そんな矢先の3月11日。まさにあの日で全てが変わってしまった。津波被害にあった企業、地震で工場が全壊してしまった企業、そして原発事故に伴う放射線被害。福島県全体が「まずは復旧が最優先」ということで、県庁の産業振興支援予算も全て震災復旧関連予算に振り替えられ、とても産業振興などに目を向ける余裕はなかった。
 しかしそんな中でも、比較的被害が少なく、震災直後から「こんなときこそ」という意気込みで活動している企業もいた。
 ジェトロでは、日本と海外の地域間産業交流を支援するRIT事業(Regional Industry Tie-up Program)を展開しており、福島県の郡山地域と韓国の原州(ウォンジュ)地域の医療・福祉機器産業分野における産業交流がこのRIT事業の支援対象となっている。この両地域は震災前も互いの地域に訪問団を送りつつ交流の可能性を深めていたが、震災の傷跡がまだ生々しかった6月に、東京で双方地域の企業が集まって商談会を開催した。双方の企業・団体ともに、「こういう時期だからこそ、これまでの交流の火を消してはいけない。」との気持ちが強く、結果としてこの商談会において複数の企業間で技術協力協定が締結されるに至った。この2地域の交流事業はこの後、10月に郡山企業ミッションが原州を訪問し、また2012年2月には今度は原州企業が郡山を訪問予定ということで、着実に関係が緊密化してきている。
広州交易会「ジャパンブース」全景

広州交易会「ジャパンブース」全景

 震災から半年が経ち、やっと福島県内も少し落ち着きを取り戻してきた秋口から、福島県庁や関係機関・企業とジェトロ共催での企業海外展開支援事業も本格的に再始動した。
 10月中旬の中国・広州交易会にジェトロがJAPANブースを設置。この中に被災3県(岩手、宮城、福島)の県庁と県内企業が各県産業・観光紹介ブースを構成した。日中の政府間で日本の被災地支援事業として実施を決定、会場には温家宝中国首相や枝野経済産業大臣も来訪した。中国随一の見本市への日本の被災地域からの参加とあって注目度が高く、中国国内及び日本や海外のメディアからの取材が殺到し、その対応に福島県ブース関係者は忙殺されることになった。しかしそのおかげで、多種多様なメディアで「元気なFUKUSHIMA、負けないFUKUSHIMA」が紹介され、
広州交易会「福島県ブース」

広州交易会「福島県ブース」

風評被害の払拭に一役買うことになった。
 また11月には福島県とジェトロが共同で、欧州有数の医療・福祉機器関連見本市「MEDICA2011」に県内3大学・企業4社で構成される「福島県ブース」を出展した。この出展はまさに福島県が年初に計画していた事業であり、震災後の様々な困難を乗り越えてやっと実施にこぎつけたものである。当該ブースは同見本市国別出展館のメインストリートに設営され、「FUKUSHIMA」からの出展ということもあり、来場者の関心も高く、会期中の福島県ブースは来客が絶えない状況であった。出展した大学・企業からも帰国後「実に多くの方々から関心を寄せていただいた。特にドイツや欧州企業のみならず、アジアや中東などの企業からの照会もあり、その対応に一生懸命答えているところ。出展してよかった。」という声が多く寄せられている。
MEDICA「福島県ブース」

MEDICA「福島県ブース」

 福島県においては、東日本大震災からの復興はまだまだ道半ばであり、再生への課題もまだまだ多い。ただ、そんな中でも、前を向いて福島の皆さんが歩き始めているのを肌で感じることができるようになってきた。上記で紹介したような企業の中から、一社でも二社でも海外ビジネス成功案件が成立し、その成功に続く企業が続々と出てくるような流れができることを切に願う。
 まさに、今年2012年こそ「がんばろう ふくしま!~Fight!FUKUSHIMA!」なのである。

「がんばろう ふくしま!」ロゴ提供サイト

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