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未曾有の風評被害 そして「八重の桜」が咲く | 会津若松市観光商工部八重の桜プロジェクト対策室 室長 江川 忠【配信日:2012/12/27 No.0214-0873】

配信日:2012年12月27日

未曾有の風評被害 そして「八重の桜」が咲く

会津若松市観光商工部八重の桜プロジェクト対策室
室長
江川 忠


 前代未聞の東日本大震災と原発事故、会津は直接の影響がなかったものの、原発事故による風評被害という未曾有の危機に直面した。その影響と地道に今も続く風評払拭。解決の大きな鍵は大河ドラマ「八重の桜」である。


 会津若松市は福島県北西部にあり、人口約12.5万人(平成24年10月)、面積約380平方キロメートルの地方都市です。市全体は広大な山地に囲まれ、豊かな穀倉地帯が広がっています。市の東側の標高500メートルの位置には日本で3番目に大きい猪苗代湖があり、市街地のほとんどが200-280メートルの海抜なので猪苗代湖は天然のダムになっています。
 磐梯山や猪苗代湖などに囲まれた会津盆地は四季折々の風光明媚な景色は日本有数であり、年間350万人が訪れる観光都市であります。

鶴ヶ城

鶴ヶ城

 さて、今般の東日本大震災に関しましては全国の皆様からは、ご心配のお問合せや、激励をいただいているところですが、幸い地震による大きな被害はなく、原発事故についても、福島第一原子力発電所から約100キロメートル離れている事や、途中に阿武隈山系、奥羽山脈等の大きな山脈が連なっている事などから、原発事故の大きな影響もなく老人や子供達も平常どおり元気に活動しています。
 また、原発事故が発生した大熊町から本市へ住民の方々を受け入れ、復興に向けた最大限の支援を行っています。

 一方、平成23年会津若松市を訪れた観光客の総数は235万人でした。平常時の平均は350万人ですので、115万人以上の大きな減少です。
 減少の理由は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災、福島第一原子力発電所事故、さらに原発事故に伴う風評被害の影響によるものです。こうした、かつて経験したことのない事態により、余震への不安、全国的な自粛ムード、放射線への不安から、観光客が大幅に減少し、特に、教育旅行や団体旅行において、大きな影響を受けました。例年、大型バスが何十台も連なって、本市へ到着し、年間841校もの県外の小中学校が来訪いただいていたのですが、昨年の風評被害の影響で100校にまで激減してしまったのです。
 最も大きな影響を受けたのは飲食・宿泊業で、約90%が売上減少。中には震災前の10%にまで落ち込んだホテルもありました。観光業は会津若松市経済に大きな影響を持つ基幹産業ですので、未曾有の緊急事態に会津若松市は直面したのです。

 この対策として、福島県、会津若松市、会津若松商工会議所、会津若松観光物産協会、会津若松市観光公社、会津農業協同組合等が力を併せて、会津の「安全・安心」を全国に発信する事業が開始されたのです。

(1)ゆかりのある企業の応援
 会津若松市とゆかりのある日野自動車、資生堂等の大手企業の協力を得て、企業内で直売をさせていただきました。会津の特産品や農産物の安全・安心を確実にアピールできました。
 これまでに首都圏を中心に41企業で開催し、併せて会津への社員旅行や、研修旅行の誘客を目指しました。さらに長期的な契約が見込める社員食堂や売店での会津産農産物の活用や取扱などのご支援いただきました。

(2)風評被害キャラバン隊の結成
 会津の安全安心を全国にPRするためのキャラバン隊を結成。日本各地で開催される震災復興支援イベントに積極的に参加し、特産品の直売や観光誘致活動を展開しました。
 平成23年7月の結成から平成24年7月までに、北は北海道から西は大阪市まで88カ所に出動。転んでも必ず起き上がる会津の特産品「起き上がり小法師」を全面に印刷したトラックで日本中を駆け回り、会津の窮状と来訪を訴え続けました。

(3)会津観光復興への取り組み
 激減した教育旅行を再誘致するために、会津若松観光物産協会では教育旅行プロジェクト協議会と連携し、「教育旅行キャラバン」を結成、実績のある小中学校を訪問し、「子供たちを会津に行かせてよいのか?」と疑問視する他地域のご父母に直接会津の安全性を説明して冷静な対応を求めました。

キャラバン隊

キャラバン隊

 また、旅行エージェント各社へモニターツアーや、メティア関係者を招聘したツアーを開催し、会津の平穏な状況を体感してもらいました。

(4)購買力を喚起する災害復興支援プレミアム商品券発行事業
 市民の購買力を呼び起こすために、震災後に「災害復興支援プレミアム商品券」を発行。プレミアム率10%の商品券を3万セット、3億円分を発売し、2時間で完売し、市民の関心の高さを感じました。その後、発行総額は6億円にのぼり、参加事業体も総勢で500店以上が参加しています。

(5)八重の桜を最大限に活用
 平成25年のNHK大河ドラマ「八重の桜」は、会津が舞台になり、激動の幕末から明治、昭和をたくましく、美しく生き抜き、新しい時代を開いた「ハンサムウーマン」新島八重が主人公です。
 平成24年からプレイベントとして「ハンサムウーマン八重と会津博」が開催されており、平成25年1月6日に第1回目の放送が開始されます。1月12日には番組で使用した衣装やセット等を展示する「大河ドラマ館」をオープンさせ、会津、そして福島県全体に「大河ドラマ効果」を波及させたいと考えています。

記者会見画像(NHK提供)

記者会見画像(NHK提供)

 会津若松市には今も会津とゆかりのある多くの街から激励のメッセージや支援が届いております。人的にも歴史的にも深いつながりのある多くの街は今も「会津のサムライスピリッツ」を通じて、会津への特別なメッセージを送り続けていただいているのです。

 皆様の思いに報いるためにも会津若松市は風評被害払拭へ全力で頑張って参ります。平成25年は大河ドラマ一色に染まり、「八重の桜」満開の会津へぜひお越しください。

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