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日本の中堅・中小企業の創造性や強さにふれて | ラオス国立大学 経済・経営学部 副学部長 兼 准教授 センチャン・チャンタシーン【配信日:2013/01/31 No.0215-0879】

配信日:2013年1月31日

日本の中堅・中小企業の創造性や強さにふれて

ラオス国立大学 経済・経営学部
副学部長 兼 准教授
センチャン・チャンタシーン

 一般財団法人貿易研修センターは、メコン地域における貿易投資や他の経済活動の推進、並びに日本とCLMV(カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム)との経済連携強化を目指し、2006年以来CLMV有望指導者招聘事業を実施している。第6回目となる本年事業では、「地域経済振興のための総合的な取り組み」をテーマとして取り上げた。4ヵ国合計11名の参加者には、中小企業推進担当の政府関係者や経済団体の幹部が含まれていた。参加者の一人であるラオス国立大学経済・経営学部副学部長兼准教授センチャン・チャンタシーン氏に、プログラム参加の感想をまとめてもらった。

オリエンテーション

オリエンテーション

 東南アジアにおける経済発展の進捗や地域統合強化の動きを受け、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム(CLMV)は東南アジア諸国連合(ASEAN)に後から加盟した国として、他のメンバー国との経済格差を縮小するための取り組みを続けている。豊富な天然資源に恵まれ、経済の工業化を推進するCLMV各国にとって、地域資源の活用等による経済振興に焦点を当てた第6回CLMV有望指導者招聘事業は、日本の発展過程に学ぶ絶好の機会である。このプログラムはまた、世界のビジネス現場で日本の中小企業が一貫した理念や革新的アプローチを通じて確固たる地位を確立する過程について、洞察に富む視点を与えてくれる。
 日本について語る時、私たちはしばしば、強い競争力を備え、勤勉で、多くの大企業を擁する国を思い描くが、一般の人々や企業がどのように働き、地域資源を活用しながら経済を発展させ、高品質の商品を世界に提供しているかについて知ることのできる人は多くない。東京、広島、京都の三都市で一週間(2012年12月2日~8日)にわたって開催されたプログラムを通じ、CLMVからの参加者は、地域資源を活かした地域産業推進に関する日本の取り組みに触れ、更にこの国の進取の精神や文化を理解する機会に恵まれた。このことは各国の発展や日本との更なる連携強化に役立つと思われる。

中国経済産業局表敬

中国経済産業局表敬

 日本の中小企業振興を含む地域産業推進に関して、最も重要な経験はおそらく、政府機関による財政的な優遇措置によってき、中小企業が公平に競争できる基盤を構築したことであろう。日本の中小企業数は全企業の90%以上を占めるが、CLMVでは中小企業が更に高い割合を占めることもあり、参加者の多くはこの分野での日本の経験・知識に強い関心を寄せ、経済産業省から提供された情報は各国にとって非常に有益な検討材料になると感じている。CLMVが他のASEAN諸国と共にASEAN経済共同体の第三の柱である「地域の公平な経済発展」を目指している現在、中小企業の発展はより重要な鍵となる今。

 プログラムはまた、参加者が多くの日本人経営者の労働観や人生観を理解するための一助となった。プログラムの中で最も興味深い部分はおそらく、日本の中小企業が自社の発展のため実行している様々な創造的戦略について学び、その良さを知ることであろう。私たちは、精米機開発に関わる「サタケ」の(2代目社長である)佐竹利彦社長の革新的アイディアや同社の世界市場に向けたマーケティングの拡大、米を原料とする新製品の開発等について注意深く熱心に学んだ。それらの例から私たちは、地域資源の活用法のみならず、変化する市場の要求に応える新しい手法を理解した。

株式会社サタケ訪問

株式会社サタケ訪問

 広島アンデルセン(ベーカリー)の本店訪問では、マーケティングや販売の責任者から話を聞くことができたが、同社グループの発展の歴史に関する説明は大変印象的だった。 今回のプログラムによって、日本の地域産業振興や革新的アプローチによる地域資源活用法に関する理解が深まったと、私は確信している。更に重要なことには、日本の中小企業が強い企業家精神を備えており、極めて伝統的な製品を扱う事業においてさえ創造力を発揮し、変化する市況に適応していることを、理解することができた。このような特性を備えた中小企業は、国内での活動は言うまでもなく、日本がCLMVを含む東南アジア地域との経済統合を推進する中で、外に目を向け、海外進出を決断する際も成功し続けることは間違いない。もちろん、政府からの適切な支援も不可欠だろう。日本同様、CLMV各国も、経済統合の過程を通じて美しい伝統文化や職人技能を保護するためには、中小企業が活動しやすくすることが必要となる。私たちはまた、日本とCLMVの中小企業の連携に関する多くの機会を見出した。日本とCLMVが経済関係強化に向けて歩を進めている時だからこそ、こうした連携が遠からず実現することを強く願っている。
 今回のプログラムを成功に導いた非常に大きな要因は、一般財団法人貿易研修センターによる入念な準備とその優れた組織力であった。日本におけるこの大変有益なプログラムを実現させた経済産業省と貿易研修センターに対し、全参加者を代表して敬意を表し、心から感謝したい。私は過去にも日本を訪れているが、この第6回CLMV有望指導者招聘事業は最も印象的で思い出に残るものになった。プログラムを通じて培われた知識と絆は、今後の日本との協力関係や私たちの仕事に役立つと確信している。

(原文:英語)


関連ページ
平成24年度 第6回 アジア有望指導者招聘事業


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