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東北の元気、日本の元気を青森から ~東日本大震災からの復興~ | 青森県観光国際戦略局 局長 佐藤 淑子【配信日:2013/07/31 No.0221-0897】

配信日:2013年7月31日

東北の元気、日本の元気を青森から ~東日本大震災からの復興~

青森県観光国際戦略局 局長
佐藤 淑子


 外貨獲得により青森県経済の安定成長を図るため、企業の海外展開や県産品の輸出拡大、外国人観光客の誘致などに一体的に取り組む組織として県庁内に観光国際戦略局を設置し、国際的な経済交流活動に積極果敢にチャレンジしようとしていた矢先、東日本大震災が発生しました。


1. はじめに
 2011年3月11日14時46分に発生した東日本大震災は、地震の激しい揺れと大きな津波が県南の太平洋沿岸地域を中心に甚大な被害を与え、県民に想像を絶する苦難と深い悲しみをもたらしました。
 折しも、前年12月4日に県民待望の東北新幹線が全線開業し、3月5日にはJR東日本の最新型車両、国内最速を誇るE5系「はやぶさ」が導入されたばかり。さらには、4月から始まる大型観光キャンペーン「青森デスティネーションキャンペーン」を目前に控え、ゴールデンウィーク、夏祭りと県内各地でこれから始まる本格化な観光シーズンには国内外から大勢の観光客が押し寄せてくることを想像し、県全体が高揚感に包まれていた時期に起きた突然の出来事でした。

2. 観光国際戦略局における復興に向けた取組
 本県と首都圏とを結ぶ交通網の断絶や全国的な自粛ムードの伸張、さらには福島第一原子力発電所の事故を発端とした風評被害などが県内観光地への客足を途絶えさせ、震災直後は宿泊予約のキャンセルが相次ぎ施設の休業や従業員の解雇を余儀なくされるなど、千載一遇のビジネスチャンスから一転、本県観光産業は大きな打撃を受けました。
 また、世界各国で日本産食品の輸入規制がなされ、それまで県と生産者・事業者の一体になった取組により順調に輸出量を伸ばしてきた「青森りんご」を始めとする県産農林水産品の輸出が困難な状況となったことから、関係者の間に先の見えない不安感が急速に広がっていきました。

青森デスティネーションキャンペーンロゴマーク

青森デスティネーションキャンペーンロゴマーク

 そのような中にあって、震災から約1か月後の4月18日、JRグループ6社と県及び関係団体で構成する青森デスティネーションキャンペーン推進委員会が、当初の予定どおり4月23日から7月22日までの3か月間の日程で青森デスティネーションキャンペーンを実施することを決定しました。多くの方々が避難所生活を強いられるなど被災地では依然として厳しい状況が続いていたことに配慮しながらも、一方では、自粛ムードにより、東北のみならず日本全体の景気後退が懸念され景気回復に向けた取組が求められている状況を踏まえ、被災県の中でも比較的被害が少ない青森県が先んじて早期復興を果たし、青森県の元気で東北の元気を牽引したい、観光の力で日本全体に明るさを取り戻したい、このような県民の熱い思いが関係者を動かした結果の大きな決断でありました。  

 キャンペーン期間中は、日本一の桜の名所として有名な弘前さくらまつりの満開の桜を合図に、驚異的な早さでの東北新幹線の全線復旧、東北6県の代表的な夏祭りが一同に会する「東北六魂祭」の開催、後に全国的な取組となった東北観光ツアーの実施や東北物産フェアの開催など多くの関係者の協力によって展開された東北の復興に向けた支援の動きは次第に速く、大きくなり、日本全体にエリアを拡大していくこととなりました。 

 一方、県産農林水産物の輸出や海外からのインバウンド誘客の回復にあたっては、海外での風評の影響に鑑み、国や関係団体との適切な役割分担の下、日本産農産品及び日本各地の観光地の安全性のPRに取り組み、海外消費者等の信頼を回復していく必要があるものと考え、震災直後から各種の対策を講じました。
 特に、青森県産品を代表する「りんご」は、日本から輸出される果実の約7割を占める重要な輸出品目であり、そのうちの約9割を占めると見込まれている本県産りんごの信頼確保と輸出量の回復が、我が国の農産物の安全・安心イメージを回復するシンボルになるとの思いの下、県産農水産品の放射線検査データや県内各地の環境放射線測定結果の外国語版ホームページでの情報発信や、知事トップセールスをはじめとした国内外に向けた積極的な販売促進活動の展開等により、県産農林水産品の安全性をPRし、各国の信頼回復を着実に進めていきました。

三村青森県知事のトップセールス、海外でのプロモーション
3. おわりに
 震災から2年を経過し、インバウンドの関係では、トップセールスなどにより県の魅力を韓国、台湾、香港に対して強力にPRし観光客誘致促進を図った結果、平成24年の外国人延べ宿泊者数は震災前の水準の64%までに回復し、回復率は東北の中で1番高くなっています。また、県産りんごの平成24年産輸出量についても、25年4月末現在14,461トンと前年同期比で150%までに回復するなど、インバウンド、県産品の輸出ともに着実に復興への道を歩んでいるところです。

 いよいよ8月、青森県内では夏祭りが一斉に始まり、青森ねぶた祭り、弘前ねぷた祭り、八戸三社大祭、五所川原立佞武多など県民の心がじゃわめぐ(津軽弁で「ぞくぞくする、心騒ぐ」という意味)、熱気溢れる季節が訪れます。
 これからも青森県、そして東北は1日も早い復興に向けて前進を続けてまいります。引き続きご支援をお願いするとともに、県民挙げてお迎えしますので是非一度ご来県くださいますようお待ちしております。

青森県のお祭り

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