| 最新号 |この記事のカテゴリー: 東北復興 |
IIST e-Magazineのバックナンバー:| カテゴリー検索 | キーワード検索 | |
2010年度以前 (IIST ワールドフォーラムメールマガジン) のバックナンバー:| キーワード検索 | 時系列検索 |

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


IIST e-Magazine

震災からの復興向けた山形県における経済交流の取り組み| 山形県 商工労働観光部 観光経済交流局 経済交流課 経済交流主査 鹿野 賢哉【配信日:2013/10/31 No.0224-0907】

配信日:2013年10月31日

震災からの復興向けた山形県における経済交流の取り組み

山形県 商工労働観光部 観光経済交流局 経済交流課 経済交流主査
鹿野 賢哉


 山形県では、東日本大震災による直接的な被害は比較的少なかったものの、風評被害の影響で観光、経済分野ともに大きな打撃を受けました。東日本大震災から2年半が経過した現在、風評被害を払拭して、本県も東北の一員として東北全体に活気が戻るよう取り組んでいます。


1. はじめに
 わが国に未曾有の被害をもたらした東日本大震災から2年半余りが経過しました。
 山形県では、大震災に際して、被災地への人的・物的支援や避難されてくる方々の受け入れ、また、放射線対策や産業廃棄物、いわゆる瓦礫の受入れ、風評被害対策など、東北の一員としての役割を果たしてきました。
 しかし、山形県内には、今なお約7千人の方々が避難を余儀なくされており、先の見通しが立たない不安のなかで毎日を過ごしておられます。
 復興にはまだまだ長く厳しい道のりが予想されることから、今後とも大震災の教訓を風化させることなく、被災地や避難者の方々と手を携え、心を一つに、寄り添いながら、東北全体の復興・日本の再生を目指して取り組んでいかなければなりません。
 今なお、福島原発事故発生に伴う日本産食品等の輸入規制、風評被害など、輸出を取り巻く環境が厳しい状況にありますが、本県では国際経済展開の基本となる「山形県国際経済戦略」を策定し、県産品の輸出促進にかかる取り組みを進めています。

2. 山形県国際経済戦略の策定
 山形県では、大きく発展する北東アジアへの展開を重視しつつ、(1)中国への本格的な展開、(2)極東ロシアへの新たな展開、(3)香港・台湾・韓国など従来からの重点地域での取組みの加速・拡大などの視点に立ち、山形県の国際経済展開の指針となる「山形県国際経済戦略(計画期間:平成22年度から概ね5ヶ年間)」を策定しています。
 この戦略では、東アジア、東南アジアを主なターゲットとして、全体としての目標指標を貿易、観光などの分野ごとに掲げ、県産品輸出や観光の振興、技術・文化等の交流の推進を図っています。

3. 県産品の輸出促進に係る取り組み
 (1) 一般社団法人国際経済振興機構の設立
「国際経済振興機構ロゴマーク」

「国際経済振興機構ロゴマーク」

 今や世界経済を牽引するのは、中国やASEANをはじめとするアジア諸国であり、山形県においても、その経済活力を取り込み、山形県の発展に結びつけていくことが急務となっています。社会経済のグローバル化が急速に進展する中、産業界、関係団体、行政等が一丸となって本県産業の国際化を推進していく体制を構築し、県内事業者のこれら国々との取引拡大やビジネス展開を支援するため、一般社団法人山形県国際経済振興機構(以下、「国際機構」)が平成24年7月に設立されました。
 国際機構は、山形県における海外ビジネスの総合支援機関として、その役割を着実に果たしていくため、食品を中心とした県産品の輸出拡大や多様な海外ビジネス展開を強力に支援しています。
 特に、県内事業者と、商工会、商工会議所、ジェトロ、県の海外事務所など各関係機関との橋渡しの役割も担っており、ワンストップ相談サービスに努めています。

(2) 各国別の取組み
 世界の市場として成長し続ける中国については、大消費地であるハルビン、北京、天津において、現地商談会への出展や現地販売プロモーションなどにより市場開拓に取り組んできました。
 平成23年10月には中国黒龍江省ハルビン市に県事務所が開設され、この事務所を拠点に、経済交流等の促進に取り組んでおり、友好県省に基づく長い交流実績で培われた人脈を活かしながら、経済交流や技術・学術・文化などの多面的な交流連携を積極的に展開しています。

フード台北2013(国際見本市)での県産さくらんぼのPR

フード台北2013(国際見本市)での県産
さくらんぼのPR

香港での県産米試食・販売プロモーションの様子

香港での県産米試食・販売プロモーションの様子


 日本になじみがある、台湾、香港については、従来から、現地商談会の開催や、海外見本市への出展などに取り組んできました。その結果、現地の輸入業者や小売店、飲食店等の輸出パートナーとの信頼関係も構築され、米、もも、ゼリー等、果実加工品など県産品の継続した取引が増えてきています。

 新規市場として取引拡大が期待できる極東ロシアについては、平成22年度からハバロフスクに現地貿易コーディネーターを配置するとともに、ロシアの輸入業者などを山形に招いての個別商談や、ハバロフスク、ウラジオストクでの現地商談会を開催してきました。
 また、著しい経済発展を遂げ「世界の消費市場」として注目されているASEAN諸国については、その成長力を山形県経済に取り込むため、本年度から、現地商談会の開催など、各国の特性に応じて、輸出拡大に向けた様々な取組みを積極的に展開していくこととしています。
 さらに、これらの取組みに加え、更なる取引拡大を図るため、ASEAN諸国のビジネスの拠点であるシンガポールに今年7月から県職員を派遣し、海外との取引を行う際に最も重要とされる、政府機関や現地企業などとの人脈の構築と山形の商品を取り扱っていただけるような商社やバイヤーなど信頼できるパートナーづくりを行っています。さらに、これらの人脈等を活用しながら、現地の生きた情報を収集し、県内企業等に対して発信していくとともに、各種相談への対応や求められる人材の紹介など、県内企業等の多様なニーズに応えられるよう支援を行っています。

4. おわりに
 山形県においては、「山形県国際経済戦略」に基づき、東アジア、東南アジアをターゲットにして、県産品の販路開拓・拡大に向けて戦略的に取り組んでいます。
 これらの国、地域の高い経済成長力を山形県産業の発展に取り込んでいくため、海外人材確保や展開を望む企業に対し、専門的助言などの支援を行うとともに、各国のマーケットの状況等を踏まえた戦略的な輸出促進事業を展開し、県産品の販路拡大を積極的に推進してきました。
山形デスティネーションキャンペーンバナー

平成26年6月から9月にかけて開催する全国大型観光キャンペーン「山形デスティネーションキャンペーン」のキャッチコピー「山形日和。(やまがた びより)」とキャラクターの愛称「きてけろくん」

 また、平成26年6月から9月にかけて全国大型観光キャンペーン「山形デスティネーションキャンペーン」の開催を控えています。10月12日(土)から日本全国公開されている山形を舞台にした映画「おしん」は、全編が山形で撮影された作品で、本県の風土や人情が随所に描かれています。
 県産品の輸出促進による経済交流事業、「おしんのふるさと山形県」の魅力を国内外に情報発信し、インバウンドにつながるような観光交流事業、という両輪の取り組みにより山形県、そして東北全体が元気になるような取組みを進めてまいりますので、皆様方におかれましては、今後とも、ご協力、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


| 最新号 |この記事のカテゴリー: 東北復興 |
IIST e-Magazineのバックナンバー:| カテゴリー検索 | キーワード検索 | |
2010年度以前 (IIST ワールドフォーラムメールマガジン) のバックナンバー:| キーワード検索 | 時系列検索 |