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日本語フリーペーパー6紙も発行 =ヤンゴン郊外には高級住宅地= ―激変するミャンマー― | (株)時事通信社 時事総合研究所 客員研究員 山川裕隆【配信日:2013/12/27 No.0226-0912】

配信日:2013年12月27日

日本語フリーペーパー6紙も発行
=ヤンゴン郊外には高級住宅地=
—激変するミャンマー—

(株)時事通信社 時事総合研究所 客員研究員
山川 裕隆


 ミャンマーは急ピッチで変化している。日本語のフリーペーパーが相次いで発刊され、高級住宅地がヤンゴン郊外に開発中だ。ヤンゴン市内は外国企業の広告看板が急増し、交通渋滞は昨年に比べ多くなっていた。


 筆者は先月、「アジア最後のフロンティア」と呼ばれているミャンマーを訪れた。昨秋同国を訪問してまだ、1年余りしか経っていないが、その間に日本語のフリーペーパーが6紙も発行されていたのには驚いた。最大都市ヤンゴン市郊外には、高級住宅地が開発されており、ヤンゴン市内は外国企業の広告看板があふれ、交通渋滞が多くなっていた。2011年3月に軍事政権から民政移管したミャンマーは急ピッチで変化している。
 ミャンマーを訪問する外国人は昨年ごろから増え続けている。日本人は毎月約4000人から約5000人ペースで同国を訪れている。同国を訪問する外国人を国別で見ると、日本はタイに次いで2番目に多い。日本人はほとんどがビジネスマンだ。ミャンマーに駐在している日本人は約800人で、5万人を超える隣国タイに比べるとまだまだ少ない。

発刊相次ぐ日本語のフリーペーパー

発刊相次ぐ日本語のフリーペーパー

◇広告掲載は順番待ち
 しかし、ミャンマーには日本語のフリーペーパーが6紙もある。ほとんどは今年に入ってから発刊された。日本人が約800人しかいない国で、採算が取れるのだろうか。日本人の駐在員が1000人に満たない国で6紙もあると、競争は激しいのではないかと思ったが、さらに1紙発刊されるという。
 ある月刊のフリーペーパーの発行部数は1万7000部で、そのうち日本で1万部、ミャンマーで7000部発行されており、日本の方がミャンマーより多い。在留邦人や日本からミャンマーへの訪問者だけをターゲットにしているわけではないそうだ。ミャンマーへの進出を検討している日本企業や同国に観光旅行を計画している人なども念頭に置いているのだ。日系企業からの広告掲載希望が増加しており、順番待ちの状態が続いているフリーペーパーもあるという。

◇日本料理店ヤンゴンに40軒超
 寿司やラーメンなど日本料理店も今年に入ってから増えている。昨年、日本料理店が10軒前後しかなかったヤンゴン市内は40軒を超えた。ある日本料理店には「日本人の板前が4人もいる」(現地駐在員)。日本企業のミャンマー進出ラッシュが続いていることから、日本料理店はさらに増えることは必至だ。
 ミャンマーと日本が11月末に共同で開発をスタートさせた大型工業団地「ティラワ経済特区」を視察した。その途中、高級高層マンションが目に入った。ヤンゴンとティラワ経済特区のほぼ中間点で、ヤンゴン市内からは車で約40分のところだ。ヤンゴン郊外に高級住宅地が開発されているとはびっくりした。

◇3000万円の分譲マンションも
 ミャンマーの財閥「SPA」グループの不動産開発企業が開発している「スターシティー」だ。ここに、高層マンションやオフィスビル、大型スーパー、ゴルフ場などを造り、2020年までに数万人の都市を目指すという大プロジェクトだ。工場やショッピングモールなどが入居するティラワ経済特区も念頭に入れて開発しているものとみられる。スターシティーの案内人は「ティラワ経済特区の開発を手掛けている日本企業の駐在員数人が既に入居している」と話してくれた。
 計画によると、マンションは分譲と賃貸の両方を建設する。分譲価格は約800万円(60平方メートル)~約3000万円(約120平方メートル)。賃貸のマンションは月額約9万円~約20万円を予定している。ミャンマーのワーカーの月額賃金は約1万円なので、一般のミャンマー人が購入するのは難しい。一部の分譲マンションの販売はスタートしたが、購入者の約6割はミャンマー人の富裕層だという。このほか、ミャンマー人を名義人にした日本人や中国人、韓国人など外国人もいる。

ヤンゴン郊外の高級マンション

ヤンゴン郊外の高級マンション

◇断トツに多いサムスンの広告看板
 ヤンゴン市内には真新しい外国企業の広告看板が急増。特に多いのが韓国の大手電機メーカー、サムスン電子の広告だ。ヤンゴン空港内でもサムスンの広告が目立っていた。パナソニックや東芝、キヤノン、京セラなど日本企業の広告看板もヤンゴン市内や空港内にも設置されていたが、サムスンの広告は数の多さで日本勢を圧倒していた。
 約60年ぶりにミャンマーに再進出した米国の清涼飲料大手、コカ・コーラの広告看板もかなり増えた。昨年、同国を訪問した時は同社の広告を探すのが大変だったが、今回は容易に見つけることができた。また、ネスカフェなどを製造・販売しているネスレなど欧州企業の看板も目にした。欧米はミャンマーに対して、長い間経済制裁を行っていた。しかし、それが緩和・解除されて、一気に欧米の大企業もミャンマーに進出している。

断トツに多いサムスン電子の広告看板(ヤンゴン市内)

断トツに多いサムスン電子の広告看板(ヤンゴン市内)

◇ヤンゴンの交通渋滞は増加
 また、ヤンゴン市内は自動車が増加し、昨年訪問した時に比べ交通渋滞は多くなっていた。街中を走っている自動車の9割以上は日本車で、中古車が多い。小型タクシーのほとんどはトヨタ製で、スズキ製の軽自動車タクシーも走っていた。スズキは今年5月から、ミャンマーで自動車生産を再開したこともあって、スズキ製の車が前回の訪問時より増えている。
 ヤンゴン市内では自動車販売店も増えている。昨年は外国メーカーの販売店をほとんど見かけなかったが、今回はスズキなど日本メーカーの販売店のほか、韓国の現代自動車や起亜自動車の販売店、米フォード・モーターや独メルセデスベンツなど欧米系自動車メーカーの販売店まであった。外国企業が「アジア最後のフロンティア」ミャンマーに急ピッチで進出しているのを実感した。
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