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シリーズ:「インバウンド観光推進」(No.6) 官民一体となり「世界一のリゾートウェディングの聖地」を目指す沖縄 一般社団法人 沖縄リゾートウェディング 上地明彦 (サンネット株式会社 代表取締役)【配信日:2017/05/31 No.0267-1044】

配信日:2017年5月31日

シリーズ:「インバウンド観光推進」(No.6)
官民一体となり「世界一のリゾートウェディングの聖地」を目指す沖縄

一般社団法人 沖縄リゾートウェディング
上地明彦 (サンネット株式会社 代表取締役)


 右肩上がりの沖縄リゾートウェディング。沖縄の地域産業資源を活用し、隣国・地域からの地理的優位性とSNS時代の多様なニーズに応じて、沖縄を世界一のリゾートウェディングの聖地にする。


新観光コンテンツ「沖縄リゾートウェディング」の誕生

 年々挙式数が増える沖縄リゾートウェディング。このような人気の観光コンテンツになるとは誰が想像しただろうか? 1999年に沖縄のリゾートホテルで1つのかわいいウェディングチャペルが建てられ、県外のカップルが沖縄で挙式をする「沖縄リゾートウェディング」がひっそり始まった。
 さて、その魅力はなんだろうか。

国内婚礼市場において唯一の右肩上がり市場

 2016年 の沖縄リゾートウェディングの実施組数は、15,399 組と過去最高となった。そのうち、海外組数が対前年比約28%増の 1,867 組 となり、インバウンドシェアが全体の20%近くまで伸びている。(2017 年 3 月 23 日 沖縄県観光振興課) 。

沖縄リゾートウェディング実施組数の推移
 年間の平均気温が約22.7度と、温暖な気候の沖縄は、「リゾートウェディング」にふさわしい場所といえる。 沖縄が持つオリジナリティ溢れるカルチャーを事業者が取り込み、例えば参列者が"かりゆしウェア"を着用するなど、南国らしい演出や型にはまらないスタイルで、沖縄の独自性を磨いてきている。そして「せっかくだからのんびりして余暇を楽しもう!だから沖縄来てよ!」と呼びかけるのだ。

今後の沖縄観光の形態

 沖縄を結ぶ航空経路は便数も充実し現在、国内線で県外23都市(路線)と1日123便、インバウンドは199便/週まで伸びており、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は、2030年度までの沖縄への入域観光客数は国内823万人、海外700万人と予測する。沖縄県やOCVBとしては、その達成にむけて誘客ならびに受入体制の構築に全力を上げている。2020年には、那覇空港第二滑走路が増設されるため、一層の伸びが期待できる。

沖縄リゾートウェディングのインバウンドシェア伸長!

 2016年のインバウンド沖縄リゾートウェディング組数は、香港の実施組数が前年比約 40%増の1,065組、台湾の実施組数も前年比約 28%増の550組と増加している。増加の要因として、海のみえるチャペル等での挙式の人気が高いこと、フォトウェディングの人気の高まりがあげられる。香港のカップルによる、リーガルウェディング(海外で現地の法律に基づいて結婚すること)の人気も理由の一つである。 香港での認知度向上や、県内での受入体制が整ってきたことも背景にあると考えられる。更に、沖縄リゾートウェディングをきっかけに初めて来沖する人たちも少なくなく、沖縄ファンとして将来にわたった観光リピーターともなっている。

海外/地域別実施組数(2011~2016年)
沖縄リゾートウェディング協会の役割

 本協会は、2011年、沖縄リゾートウェディングの地位向上と発展を目的に設立された。設立当初30社だった加盟会員は、2017年3月には99社となった。チャペルを所有し挙式を実施する企業、施設は持たないが沖縄のビーチや観光資源を活用した写真などを提供する企業が35社。その他、引出物、マリンスポーツ、ホテル、エステ、かりゆしウェア、伝統工芸、レストラン、情報発信等を主とする企業で構成され、まさにオール沖縄である。沖縄県外の企業20社に加え、韓国の企業も入会するなどグローバル化も進む。会員企業は個々に、もしくは共同で積極的に販売促進活動を組織内で行ない、「沖縄リゾートウェディングブランド」を確立しようとしている。本協会も東京で毎年単独フェアを開催し、継続的にプロモーションを行っている。

沖縄リゾートウェディング協会のミッション

 本協会は沖縄の地域産業資源を活用し、世界一のリゾートウェディングの聖地にするべく、 “日本の楽園を、世界中の恋人たちへ。”をスローガンに、次の3つをミッションとして掲げる。

» 沖縄の観光振興に貢献する
» 地元企業との共生により経済発展に寄与する
» 沖縄を世界有数のリゾートウェディング聖地に育てる

 沖縄にはビーチ、海、空、海を眺めるチャペル施設等、ハワイに勝るウェディング資源が豊富で、更にはマリンスポーツ、ショッピング、グルメ、エステ、伝統文化など観光資源が豊富。お二人も楽しめ、家族ももっと楽しめる、楽しみ満載のウェディングが可能だ。

沖縄ウェディングイメージ
世界一になるため、日本初のチャレンジに挑む

(1) まず日本でブランドを確立する
 中小企業庁による地域ブランド創出の取組みを促す「ふるさと名物応援宣言」で全国初の市町村連携として「沖縄リゾートウェディング応援宣言」を実施したことで、国からのバックアップ体制が整い、日本初の一般社団法人による地域産業資源活用支援事業計画となった。これにより、ウェディング関連サービスや、引出物やサービスなど関連産業に至る商品開発・サービス開発を大きく進められる環境を構築した。

(2) 現在インバウンドで起こっている問題を解決しSNSでネガティブ拡散されないようにケアする
 大きな課題の一つが、主に香港のカップルが実施するリーガルウェディングであった。各市町村の戸籍係が従来からの住民窓口対応に追われる中、香港からのお客様に結婚証明書を発行するこの業務は、海外から送られてくるカップルの個人情報を読み解き、日本の法律に当てて手続きするもので、2カ月前から申請の対応を行う。約20社の会員企業が申請代行をするため、様々なトラブルが起こっていた。この課題を法務局と各自治体と本協会の3者が一体となって共通の認識を持ち、戸籍窓口が、外国人カップルに対し笑顔で結婚証明書を発行できるようにするために定期的に会議などを実施している。このような取組みを行っている団体は日本で沖縄が初である。

(3) 日本らしさ資源の保護対策の方針を打ち出す
 訪日外国人のマナー問題がよく取り上げられるが、沖縄のウェディング関連も同様である。チャペル施設に無断で立ち入っての撮影や、観光景勝地やフォトスポットにおける無許可の撮影(ゲリラ撮影)である。また、著名な撮影スポット付近の民家の敷地に入りこみ、撮影に邪魔であると洗濯物を勝手に排除するなどの行為も後を絶たない。文化習慣の異なる観光客のマナーの向上は、中長期的な視点で意識の向上を待つしか根本的な解決策はない。本協会はゲリラ撮影防止に関する遵守事項をリリースし、またモラルを遵守している撮影事業者(協会会員)を告示公開している。沖縄県にとって観光産業は大変重要で、産業従事者だけでなく、一般市民が温かい気持ちで観光客を迎えられることが望ましい。その一歩はルールを明確に、皆が笑顔で迎えることである。

沖縄の海
世界ナンバーワンを沖縄から創るには!

 沖縄県と本協会は2020年に2万組を目標としている。
 そしてそれを達成する時点で、インバウンドシェアは5割に迫る勢いであると予想している。
 全国的にサービス業を中心に人材不足の問題が深刻になっているが沖縄のリゾートウェディング事業も例外ではない。しかし、そのような状況でも、本協会は世界の多様なユーザーニーズに応え、国外の企業も会員として受け入れ、日本らしいおもてなしガイドラインをマニュアル化して活動していく考えである。日本のサービスは、海外の人からは期待値が高い。そうした期待にきちんと応えることが、世界の名だたるリゾート地に肩を並べるための条件である。

 世界ナンバーワンのリゾートウェディングの聖地を目指すという高い目標に向かって、各事業ではライバル関係にある企業も一体となって協力し、沖縄のもつ豊富で魅力的な観光資源を活用した現在の活動は、世界一を目指せる戦略であると信じて、官民、一致団結して活動していく所存である。


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